いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「俺さ、お前が言うようにカッとなると見境なくなるとこあるし。 短気だし人の話聞かなくなるし。そうなったらマジで誰の声も受け付けたくなくなるし」
そこまで、一気に言い切った後、静かに息を吐いて吸う。
次に続いた声は少しトーンダウンされていた。
「部長にはいくら形式的に仕事ができても、そんな未熟な人間じゃいずれ使い物にならなくなるとか言われててさ〜」
真衣香の目に映るのは上体を折り真衣香に覆いかぶさるようにしてる坪井の耳元だけだ。
だから、どんな表情をしているのかが見えない。
「そのくせ、お願いされたり頼られたりしたら断れない調子いいとこもあって自分で首絞めてるし」
……わからないけれど、息遣いは少し頼りない。
「情けないじゃん、お前の中の俺のイメージってこんなのじゃないでしょ」
「……こんなのって?」
「何個も欠点があって、それを嘆いてるみたいな。 俺ってほら二課の希望の星だし優秀だし、いつも明るくて元気で優しくて何でもできてイケメンじゃんモテモテじゃん」
(自分で言ってしまえることがすごい……!)
真衣香が心の中で盛大に叫んでいることはつゆ知らず。
坪井の声は更に続いた。