いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
恐ろしいくらいの快感から逃れようと、キスの合間に逃げ場を求めるが、その瞬間に後頭部に手を当て固定され。
また口内を犯す熱に思考を奪われて。
「あ……、んっ……」
繰り返されるうちに、漏れ出る吐息も熱くなるばかりだ。
「そんな可愛いお前をさ、もう離せないんだろうな、俺は」
「ん……、え?」
息を乱されている真衣香に対して、坪井は平然として見えた。快感に溺れていきそうになる中で、その様子にチクリと少しだけ胸が痛む。
「もしお前が心変わりしても、別の男のとこに行きたいって言ってもさせないんだと思うよ」
真衣香の唇の端からだらしなく流れる唾液を舐めとりながら、掠れた声が何かを噛み締めるように言葉を繋ぎ続ける。
「お前の優しい気持ちをさ、泣きついてでも脅してでも騙してでも……離してやらない男だと思うよ、俺は」
「……あっ」
突然の甘い刺激に真衣香は恥ずかしくなるような声を上げて、坪井のシャツを強く掴んだ。
肌を這うように彷徨っていた手のひらが、下着を浮かせ、隠れる膨らみを包み込むようにして触れたから。
「俺みたいな男、やめときなって言ってやれなくてごめんな」
その言葉が合図だったかのように、胸のあたりにあった手が背中にまわされ、もう片方の手は膝裏あたりに添えられて。
軽々真衣香を持ち上げた坪井は、ソファのすぐ先にあったベッドに運び、軋む音も聞こえないほどに優しく降ろしてくれた。
そして、両腕を顔の横につけて、真衣香に跨り見下ろしながら甘くも、どこか低く、恐ろしさを含んだ声で囁く。
「かわいそうに、って思うんだよ。もう逃げらんないじゃんって」