いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
鋭く細められた瞳のその奥が、真衣香を押さえつけるように妖しく光る。身動きひとつ取れないままに、ただ坪井を見上げるしかできなかった。
「でも、ごめん、俺今からお前を抱くから」
「あ……」
「好きだって言ってくれた言葉がさ、本当なんだって実感したい」
「つ、坪井くん……」
絞り出した声で名前を呼ぶと、その声をまるで飲み込むかのように、激しく唇を押し付けられる。
角度をかえ繰り返される深いキスの合間に低く這うような声で。
「抱いて、何度も抱いて。気失って……次、起きたらさ。俺のことしか考えられなくなってればいいのにって思って抱く、ごめんな」
囁き続ける。
「でも、好きだよ」
愛の言葉を、今は素直に受け止められる。
「お前のことがほんと、好き……真衣香」
「……っ!」
「真衣香」
(ま、真衣香って……名前、いま)
初めて名前を呼ばれ、嬉しくてだろうか。驚いてだろうか。溢れた涙。
それを坪井の舌が愛おしそうに掬った。
声が途切れて、互いの呼吸だけが部屋に響く。
続く行為が、今日は不思議と怖くなかった。早く欲しくて、もっと触れたくて。
坪井の背中に腕を回し、しがみつくと。
ゆっくりとタイツを脱がせてくれていた優しい手が……大きく乱れた呼吸とともに荒々しく動き、スカートと一緒に剥ぎ取られた。
何かを堪えるように、眉をしかめ、息を大きく吸って吐いて。
「好きな女に下からしがみつかれるって、こんなヤバいんだ……知らなかった」
欲情にまみれた声が耳を刺激する。
この人に、まだ知らない夜の過ごし方を教えてほしい。
真衣香は心の底から、願った。