いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
真衣香の驚いた声から少し遅れて坪井が笑い声が聞こえた。
「はは、逆にそっちは知ってんの? 何で」
「見てたら何となく、そうなのかなって思って」
項垂れるようにして俯いた真衣香の頬を坪井の手のひらが包むようにして触れ、上を向かせる。
「それさ、気になってたんなら聞いてよ」
その言葉とともに見えたのは寂しそうに、いや、困ったようにだろうか?
片眉を下げて笑う顔だった。
どうしてそんな表情をさせてしまっているのだろう? 必死に真衣香は考えた。
考えながら単純に、自分に置き換えてみると。
不思議なほどにスッと坪井の表情の意味が心に流れ込んでくる気がした。
自分が――真衣香が、坪井に大事な何かを隠されて伝えてもらえなかったら。
そのせいで嫌な気持ちや不安を感じているとしたら?
(そんな不安はすぐに聞いてほしいって思うよね、だって違うんだもん、そっか……)
真衣香自信ならすぐに否定したいと思うだろう。
否定し、そして、笑ってほしいと思うだろう。
そう理解したからか。
坪井の表情に、少しの罪悪感を覚えてしまった。
だから素直に言葉にしてみようと頰に触れる坪井の手に自分の手を重ね、そして見上げるようにして視線を合わせ言った。
「ごめんね。 その……、坪井くんが知ったら嬉しくて小野原さんの方にいっちゃうかと思ったの」
「…………おー、マジか、そっち」