いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「えーと、優里ちゃん? に相談する機会とか、これから出てきてもさ、それも。どっちも、答えてるのは俺じゃないってわかる?」
相変わらず低い声で淡々と言葉にされ、真衣香は再び肩びくつかせた。
それはそこに頭を預ける坪井へとダイレクトに伝わっていたようで。
「待て待て、ビビんないでよ、怒ってないから。ただ、お前は人と正面切って話す前に、あれこれ考える癖があるだろ?」
「癖?」
の、つもりはないのだが言われてみればそうなのかもしれない。
「そ、うだね……、そうかも」
「でも考えても予想しても今お前が知りたい答えは、俺の中以外にないのわかる?」
坪井の体勢は変わらない。
だから、真衣香は『助かった』と思った。
情けない顔をしている自分を見られなくて済む。
「わかる……」
「はは、素直。 そこまでオッケー? んじゃ、それわかった後お前はどうするの?」
ぽんぽん、と。坪井が真衣香の背中に優しく触れた。
「こ、こんなこと相談して……迷惑じゃ、なかったのかな?」
声が震えて恥ずかしい。
怖い。
答えのわからない会話は怖い。
嫌われたくないと思ったら、もっともっと怖い。
けれど返ってきた声は優しかった。
「うん、迷惑じゃない、絶対。 俺はね」