いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました




そうだ。

小野原に真衣香を攻撃させたのも。
今小野原が傷ついているのも、坪井が厳しい台詞を叩きつけるのも。

言わせてしまった、そう”させてしまった” 自分が元凶ではないのだろうか。

途端に嬉しさも胸の痛みも全てが不甲斐なさに変わっていく。

(小野原さんの苛立ちは、当たり前だよ)

こんな、うじうじしてばっかりの女に大好きな人をいきなり持っていかれて。
そしてその真実はと言えば、真衣香がただタイミングよく一緒にいた。 それだけの理由なのだ。


「小野原さんたちがあいつに仕事押し付けに行ってんのは高柳部長に話し入れてるし、人事の部長はうちの部長の大先輩で頭あがんないって言うし、立花の上司は総務の課長と人事の部長じゃないですか」

畳み込むように坪井が鋭い言葉を矢継ぎ早に投げ続ける。

「一応これ前置きで言いますけど、部長がうちの部に置いときたいのは金になる俺の方なんすよ」

「前置き?」

坪井の言葉に答えたのは次は小野原ではなく、森野だった。

「そ。一緒に仕事したくないって言いたくないんだよね、わかる? 森野、小野原さんも。 嫌ですよね、自分のせいで森野も巻き込んで、どーします? バカにしてる総務にでも二人で行きます? 」

「それは……」

小野原の不安そうな、そして怯えたような声。
一方の坪井は軽い雰囲気で会話しているかのようで、けれど冷たく刺々しいばかりの内容だ。

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