ずっと、to be continued...
「…………」
「…………」
「…………今日、待ち合わせの、時に……」
「待ち合わせ?」
「そう。待ち合わせ場所に行ったら、雄大と、細山さんと斉木さんがいて……」
「ああ、あの2人……買い物の途中って言ってましたけど」
「……楽しそうだった」
「へ?」
「楽しそうに話してた」
「え……」
「あ、あの、楽しそうに話してたのはいいの。それはよくて、それを見た私がよくないの」
「は……?」
「雄大が他の子と楽しそうにしてて、そういうのを見ると、私が変なの。なんかこう、ざわざわして、そわそわして、逃げたくなる」
「……それ、は……」
「前からそうなの。逃げたこともある」
「え⁈いつですか⁈」
「そんなの覚えてないよ。その時も、全然落ち着かなくて」
「…………」
「でも逃げても落ち着かないのは変わらなくて、結局寝ないと収まらないの。なんだかいらいらするし、駄目なの。だから、見ないようにしてるの。飲み会の時も見ないように頑張って、この前だって、雄大は隣のテーブルで青木君にからまれながら細山さんと仲良く話してて、見ないようにしてたけど目に入っちゃうから、もう飲むしかなくて」
「え、ち、ちょっと待ってください。じゃあ芳子さんがふにゃふにゃになるまで酔っ払うのって……」
「お酒が入ると、ざわざわしなくなるから。酔うことに集中してるから、周りのこととか頭に入らなくなるの」
「じゃあ……じゃあ、この前、藤井さんが隣でしゃべってたのは……」
「半分くらいしか聞いてなかった。だから口説かれてたとか、よくわかんなかった」
「……俺、芳子さんに見られてるなんて感じたことないですけど」
「だから、見ないようにしてるの!最近は、飲み会だと必ず細山さんが雄大の近くで、いつも楽しそうに話してるし、そうすると自分がざわざわしちゃって嫌だから、もう次は行くのやめようかなって思って……」
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop