ずっと、to be continued...

「芳子さん、それ、誰か、例えば八重子さんには言いましたか？」
「八重ちゃん？言ってないよ。ていうか、こんなこと誰にも言えないよ。今だって言いたくなかったけど、雄大は……」
「え……」
「…………」
「……なんですか？」
「…………」
「芳子さん？」
「……雄大は、その……」
「……？」
「その……とくべつ、だから……」
「え……」
「特別だから」
「……えっ、えっ？」
「こないだね、八重ちゃんと話した時に、私の中で、雄大は他の人とちょっと違うところにいるって言ったら、それは『特別』って言うんだよって言われたの」
「…………」
「雄大は『特別』じゃ嫌かもしれないって八重ちゃんは言うんだけど、でもそれを『特別』って言うんなら他に言いようがなくて……」
「…………」
「八重ちゃんは、多分雄大が聞きたいのは私の正直な気持ちだ、って。だから、さっきのも、正直に言ったんだけど」
「…………」
「……やっぱりあきれるよね。雄大は私のこと好きって言ってくれたのに、私の方は、好き、でも、嫌い、でもなくて、『特別』ってなんか中途半端な感じだし、さっきのざわざわだって私の黒いところを見せちゃった感じだし」
「芳子さん」
「な、なに」
「その『ざわざわ』を、人はなんて言うか知ってますか？」
「……デジャヴ？」
「は？」
「こないだ、八重ちゃんにも同じようなこと言われたんだよね。一般的になんて言うか知ってますかーって」
「それは置いといてください。今は『ざわざわ』の話です」
「ごめん。そして、知らない」
「……芳子さん、いいですか？人はその『ざわざわ』を『ヤキモチ』って言うんですよ」
「え……？」
「はあ〜……それ、もっと早く八重子さんとか誰かに言ってくださいよ。そしたら『ヤキモチ』だって教えてもらえたのに」
「え、ヤキモチ？」
「中学生じゃないんだから、自分で気付いてくださいよ」
「中学生って、ひどくない？」
「仕方ないでしょう、恋愛に関してはそのレベルなんだから」
「う……すみません」
「で、勘違いじゃなければ、俺、ヤキモチ妬かれてたってことですよね」
「…………」
「しかも前から。いつからかはわかりませんけど」
「……うん」
「そんで、芳子さんにとって『特別』なんですよね？」
「……うん……」
「……芳子さん、顔真っ赤」