つきとねこ

家に帰ったらお父さんとお母さんが心配そうな顔で待っていた

私は昼間に起きたこと…小次郎の状態…病院で主治医に言われたことを
ぽつりぽつりと説明した

お母さんは声をおしころして涙を流す

お父さんは下を向いたまま、眠っている小次郎を大きな手でなでた



その日から、小次郎は私の部屋で過ごすことになった。

ごはんをあまり食べてくれないので
ムース状のやわらかい餌を口に運んでやる。

小次郎はトイレと食事以外は眠っていることが多かった

トイレに行くとき、ぎこちない歩き方で辛そうだったので
寝床の横にトイレの容器を移動させてやる。

夜は私も小次郎の横で毛布を被って一緒に眠った。

週に一回の点滴をするために病院に通う

点滴をした直後は少し楽そうにしていたけど
数回、通院して点滴をうけているうちに慣れてしまったのか
それとも小次郎の症状が進行しているのか
点滴をしたあとも苦しそうにしていることがふえた

朝、起きたとき小次郎が息をしていることにほっとする。

そんな日々だった。
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