つきとねこ

小次郎

僕の名前を呼ぶ声が聞こえてうっすらと目を開けた

「心配かけてごめんね…小次郎…」

なんだあ、柚月かよ…

なーに泣いてるんだよ

僕だって君をおいていくのは心配だよ?

でもずっと柚月と一緒にいられるわけじゃない

そんなの君だって分かってて僕を拾ったんだろ?

じゃあ、泣くなよ

笑って見送ればいいじゃないか

ほんと君って僕に気を使わせてばっかりだな!

子供だった僕を拾ってくれたときはほんとに感謝したんだぜ

だって、あのときは前の飼い主に置いてかれて
外は寒くて、おなかは空くし、鳴いても誰も僕に気付きやしないんだもんな

ママを押しきって僕を飼うと言ってくれたとき柚月がすごく頼もしく思えたよ
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