つきとねこ
エピローグ
「もしもし?ユウちゃん?」
「うん、もう大丈夫」
「うん、行けるよ」
「うん、うん、駅で待ち合わせね」
電話をきる。
※
私はノブをつかんでドアを開く
鮮やかな空の青さで目が眩むが次第に慣れていく
仔猫だった小次郎を連れて帰った道を歩きながら駅へと向かう。
どんどん人が多くなる
緊張のせいかじっとりと汗が出てきた
ちょっとだけ怖い
私は空を見上げる
「小次郎…心配しないでよね」
駅の人混みのなかに向かって歩き出す
おそるおそる、でもしっかりと大地を踏みしめて