危険なキミの溺愛
「湊は素直じゃないからな。俺に心を開いてくれるまで3年かかったし!」



3年!?



受け入れてくれるまでの年数の長さにも驚きだけど、キノコくんとは長い付き合いなんだね。



「邪魔みたいだから行くわ」



キノコくんはそそくさと歩いていってしまった。


後ろ姿をぼんやりと眺めていると、湊に背中を軽く押された。



「行こう」



「あっ、うん…明るい友達だね…」



「まぁな。俺が唯一信頼してるやつ」



そ…そうなんだ?



唯一って…。



とても信頼している証なんだろうけど、他にはいないってことになるよね。



それって…私のことも信頼してないってこと…。



知り合ってまだほんの数日だし、お母さんが送った見張り役だと思われていたし、警戒心の強い湊からしたらきっと当然のこと。



わかっているのに…なんだか胸の奥が痛い。





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