危険なキミの溺愛
文句は言うくせに怒ってないし、そんなに優しい目で見つめられたら…もうどうすればいいのかわからない。



突然のお姫様抱っこに、胸のドキドキはおさまらない。


「このままがいい…」


思い切って湊の首に腕を回し、軽く抱きついた。


私…もう、きっと湊のことが好き…。



無愛想に見せても本当は優しいよね。



湊のそういうところ、私もうわかっちゃった…。


「このままって…。酷だな、結構重い」



うわぁ、酷い!



甘い雰囲気になんてなることなく、自転車の荷台にそっと下ろされた。



「ゆっくりこぐから、落ちないようにな」



「はあい」



何もなかったかのように、湊は自転車をこぎ始める。



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