危険なキミの溺愛
「ふーん…」



目が合うと、さっきまでは曇っていた表情が和らいだ。



「優しさが俺のいいところ…か。そんな風に考えたことなかった」



いつの間にかふたりで歩き出し、どちらともなく家の方向へと向かう。



そして、湊はぽつりぽつりと話し出した。



「俺さ、小さい頃に誘拐されたことがあって…まぁ、あっさり犯人は捕まったんだけど…」



「ええっ!」



さすが御曹司…私が想像もできない波乱の人生を送ってる。



「それから、護身術だって言って格闘技をやらされて… だけど相手を痛めつけることにずっと違和感があった…」



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