危険なキミの溺愛
私がまだ湊にからかわれて翻弄されると思ってるからだよね?



「ありがとう…多分、大丈夫…」



チラチラと湊を見るけれど、湊はこっちを見ようともしない。



「出張か…珍しいな」



「ええ。重責な任務を任されました。今後、湊様にも関わってくることですので、私が全面的に取り仕切るようにと奥様から仰せつかっております」



「ふうん…」



湊はまるで興味がなさそう。



「湊様が行くなと仰るなら…」



「引き止めてない」



「そうですね」



少し寂しそうな顔を見せた後、シンは自室に荷物を詰めてすぐに戻ってきた。



「それでは、行って参ります。急ぎますのでこれにて失礼します」



湊に深く頭を下げて玄関へと向かう。



こんなに急に?



今夜から…また湊とふたりっきり…。



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