危険なキミの溺愛
「中川くん…」



「おいっ。あ~、そういうことか。俺のこと意識してる?」



「ち、違うの!慣れないだけ…呼ぶもん。みっ…みな…」



あ、だめ。



中川くんの言う通り、本当に意識してる。



はあぁ…。



そんな私のことを甘い視線で見つめる中川くん。


あぁ、だめ…ドキドキしちゃだめだよ、私。


「彼女のフリするのにこれからそんなので大丈夫?」


中川くんの瞳に惑わされる。



いつも、女の子が側にいるのがなんとなくわかる気がしてきた。



一見冷たそうに見えるけど、話し方とか思ったより優しいし…。


人を惹きつけるオーラというか、見つめられるだけでドキドキして…なんだか不思議な気分。


「名前ぐらいなんてことないから」



だけど呼び捨ては、私にはちょっとキピシイ。


「みっ…みー…みーくん…とか!?」


そうしたら、ブハッと吹いてる。


私、なんか変なこと言った!?


「みーくん…って!そっちのが甘くない?」


あ、甘いの!?


「そうなの?だったら…」


「いや、いーよ。新鮮…そんな呼び方されるのガキの頃以来。学校ではみんな湊だから」


< 21 / 263 >

この作品をシェア

pagetop