危険なキミの溺愛
「初めは親同士が決めたこと。だけど今は俺が花と一緒にいたいから、放す気はないかな」



ドキッ。



湊はこちらをチラッと見たあと、宙に視線を移す。



「姉ちゃんのこと好きってこと?」



わああっ、宙も何をストレートに聞いてるの?



顔が熱くなって手でパタパタと扇ぐ。



「そう。だから、お前にここにいられると邪魔」



湊…厳しい!



そんなに宙を追い返したいんだ…。



「姉ちゃんのこと大切に想ってくれるならそれでいい。邪魔しないようにするから…今日だけ泊めて下さい」



反抗するでもなく、宙は深々と頭を下げた。



それを黙ったままジッと見つめる湊。



宙はいつまでたっても頭を上げない。



「もう…いいよね?私からもお願い。泊めてあげて」




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