危険なキミの溺愛
実際はここにいると知って、安心していたっけ…。



宙のことを溺愛しているお母さんは、ずっと宙には深い愛情をかけていた。



欲しい物は全て与えて、本人が望むことはほとんどやらせてあげて…。



音楽の道に進む夢も宙が望むなら応援したいって言っていたのにね。



急に現実的になったのかな…。



「姉ちゃん…こっち来て」



宙がこっちを見つめて目を潤ませている。



手を広げる宙の近くに寄ると、ぎゅっと抱き寄せられた。



辛いとき、よくこうして慰めてたっけ…。



ううん、私も宙に救われていたの。



この腕の中…すごく安心する…。



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