危険なキミの溺愛
後ろから誰かに引っ張られた。



「花、そろそろ準備して。のんびりしてると時間なくなる」



えっ…ええっ?



もちろん、私を引っ張ったのは湊。



だけどいつから後ろにいたの?



全く気づかなかったよ!?



「それと宙は、今日も泊まっていいけど…とりあえず一旦家に戻って学校に行けよな。下に車呼んだから、今出れば間に合うだろ」



本当にびっくりした…!



足音ひとつ聞こえなくて、突然後方から湊の声がしたから余計に。



「湊さん気が利く」



宙はフッと笑うとたちあがり、湊の横をすり抜けて玄関へと向かった。



「なんか軽く追い出されたっぽいけど。じゃ、行って来ます」



苦笑しながら去っていく宙を見送った後、なんとも言えない顔で湊が私を見ている。



「どうしたの?」


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