危険なキミの溺愛
「ふぁ…眠い」


「大丈夫?戻って寝る?」


「そうだな…抱き枕が必要かも」


そう言って、さりげなく抱き寄せる。


わぁっ!


恥ずかしいのもあるし驚き過ぎて、数歩前に飛び退いた。



「ねっ、眠たいならひとりで戻って!わ、私は先に学校に行くから」



もう、湊の甘いモードに全然慣れないよ。



顔は熱いし、心臓がバクバクして本当に困る。



急いで行こうとしたらグイッと腕を引っ張られた。


「行くなよ。わかったから…」



私がこういうことに慣れてないって知ってて言うんだから。



その後は他愛もない話をしていて、隣を歩く湊の表情は終始穏やか。



「なんかさ、花と一緒にいるとほっとする。今がずっと続けばいいのに…」



湊は私の手をキュッと握って、優しく語りかけてくる。


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