危険なキミの溺愛
「んー、質問多くて答えるの面倒くさい。姉ちゃんが無事ならそれでオッケー」



むぎゅ、と抱きしめられた。



「えええ、教えてよ。じゃなきゃ一人で帰って」



「はー、仕方ないなあ。ここに来たのは、一緒に帰るため。あと、太田さんは俺らの歌をよく聞いてくれてて」



宙は友達と音楽配信をしていて、固定のファンもいるって聞いたことがある。



まさかその知り合いだったなんて。



「そうだったんだ…太田さん、宙には優しかったよね。ファン…っていうか、友達?」



「友達?まさか。一方的に告白されただけ。何度断ってもしつこくて。相手にしてないけど、湊さんは手ぇ出しちゃったんだね。ヤバそうなのわかんないのかな」



えええっ。



宙が太田さんに告白されたこともびっくりだし、宙の言いっぷりにも驚く。



私の知ってる宙じゃないみたい。


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