危険なキミの溺愛
あぁ、きっと荷物を運んでくれた業者さんだよ。



奥の部屋から音がする。



靴を脱ぎ、中へ入っていく。



すると、キャップを被り黒の上下を着た男の人がダンボールから荷物を出していた。



「ああっ、私がやります」



家具を運んでこんなに綺麗に配置してくれたの?



なんてサービスのいい引越し屋さん。



声をかけると、びっくりしたように肩を震わせた後、ゆっくりとこちらを振り返る。



え…。



ちょっと、待って。



振り向いた男の子は私を見て固まっているけど、それはこっちも同じで、なにが起きているのか理解できない。



だって…目の前にいるのは、同じクラスの中川湊(なかがわみなと)だったから。


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