危険なキミの溺愛
軽蔑の意味をこめて胸を軽く突き飛ばすと、意外とすんなり腕を外してくれた。



「もうすでにそうなってるけどな。親父が勝手に寄付金積んで、どれだけ面倒起こしても注意すらされない」



「へえ…」



「羨ましいだろ」



羨ましい?



そうなのかな…。


「それってなんだか寂しいね…いてもいなくても同じってこと?」



私なら嫌だな…。



なにかアクションを起こしても見ない聞かないフリ。



寄付金多めの特待生扱いというのもあるけど、厄介だから先生たちは関わろうとしないんだろうね。



「嫌な女だな」



そう言いつつも、湊は少し笑っている。



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