危険なキミの溺愛
「ないよ…私ね、なにひとつ続かないし、勉強も特にできるわけじゃない」



「ふーん…」



呆れた?



「自分でも思うけど本当に取り柄がない…」


「つまんない女だな」


うわっ、それはそうだけどひどい。


悲しくなっていると、湊が私の頭に軽く手を乗せる。


「ひとつぐらいない?自分のいいところ」



「そんなの、自分ではわからないよ…」



あるのかな。



「まぁ、昨日あんなことになって逃げ出さないところとか。今だって…」



それって私のいいところなの?



ひゃっ…。



湊は頭の上から手を滑らせてそのまま指に髪を絡める。



なっ…なにするの?



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