危険なキミの溺愛
「惚れっぽいの?」


「なんも考えてない」


そ…そうなんだ…。



「そういうのよくないよ。本当に好きな子ができたときどうするの?」



「そんなのどうでもいい。昨日も言ったけど、愛だの恋だの興味ない。だから別に…」



「私っ…私は嫌だよ。湊と…もし本当に結婚するなら…好きになってもらいたい…」



例えばだけど。



このまま縁談が進んで、後戻りできない場合…そういうことになるよね?



その時、愛のない結婚なんて本当に辛すぎる。



湊は面食らった顔をしていた。



そして、くすくすと笑い出す。



あれっ…私、なにか変なこと言った!?



「俺に好きになって欲しいの?破談にするんじゃなかったっけ」



「そっ、それはそうなんだけど。将来そうなるなら、ってことで…」



もしも、の話。



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