危険なキミの溺愛
「さっき?なんのことでしょうか…身に覚えがありません」



「家に入ったとき…人の気配なんてなかったんだよ。それなのに後ろからいきなり殴られた」



「私には分かりかねます」



「くそっ」



いつもは冷静な湊がかなり苛立っている。



大人の男性だし、きっとシンさんの方が何枚も上手なんだろうね…。



それでも、湊を応援したくなるのはどうしてなのかな。



「あの…とりあえずこの辺でお茶の時間にしませんか?」



雰囲気を和やかにしようと思って提案したけど、湊に思いっきり嫌な顔をされた。


「…は?」


だけどシンさんはにっこりと微笑み両手を合わせる。



「それがいいですね。今すぐ準備をします」



まるで家の中の配置がわかっているかのように、キッチンへ行きお茶の用意を始める。



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