危険なキミの溺愛
「そんな、私なんて…なんの取り柄もないのに…」



「そうでしょうか?花さんの綺麗な心、そして溢れ出る気品や美しい所作、それは誰にも真似できるようなものではありません」



ほ…褒め上手!



私のどこから気品が溢れ出てるの?



バレエを習っていたことがあるから、姿勢は綺麗だと言われることはあるけど…。



「シンさん…そんなに褒めても何も出ませんよ?」



「湊様のことをよろしくお願いします。ただ、それだけです」



「…………」



よろしくと言われても困るの。



私だって、こんな形での婚約は不本意。



それはきっと湊だってそのはず…。



「かわいいのに無自覚というのは罪ですね」



「…えっ?」


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