猫とレモンティーと私

穏やかな日曜日の朝。私、猫間陽（ねこまさな）はベッドから起き上がり、時計を見る。九時になったばかり。昨日の夜更かしが原因でこんな時間まで寝てしまった。反省、反省。

パジャマから青いボアジャケットにキャメル色のチノパンに着替え、身支度を整える。顔を洗い、歯を磨き、メイクもして家を出る。

朝ご飯は食べないのかって？ちゃんと食べるよ！これからお気に入りのカフェに行くんだ！

自転車で十五分ほどのところにある小さなカフェ。レモンの木が植えてあり、緑が綺麗なカフェだ。カフェの名前は「檸檬」。

「おはようございます！！」

そう言い、元気よく扉を開けるとチリンとベルが鳴る。カフェの中に入るとふわりとレモンのいい香りがした。

「いらっしゃいませ」

カウンターの向こうでは、明るい色の髪にカフェのエプロンをつけた爽やか系のイケメンがいる。このカフェの店主である犬飼凛太郎（いぬかいりんたろう）さんだ。

「朝ご飯、食べに来ました」