猫とレモンティーと私
このカフェの中に入ると、どんなに忙しい人でもゆったりしてしまう。そんな魔法がかけられているのかもしれない。

ゆったりとしたピアノのCDが流れ、レモンのいい匂いが体中を包んでいく。そして、凛太郎さんの笑顔。ゆっくりしたい人はいない。

「どうぞ、レモンティーです」

黄色の果実が浮かべられた紅茶を凛太郎さんが出してくれた。私が注文したもの。

「ありがとうございます！」

私は紅茶に口をつける。高校生の頃から紅茶にハマり、中でもレモンティーはお気に入りだ。アメリカにルーツを持つ紅茶の飲み方らしい。レモンティーと言えば紅茶だけど、台湾では緑茶を淹れたものにレモンを加える場合もあるとか……。

程よい酸味が口に広がる。私はそれをゆっくり味わった。

「これ、よかったら食べてください」

凛太郎さんはサービスでバームクーヘンを出してくれた。やった〜！！

「何かいいことでもあったんですか？」

ニコニコしている凛太郎に訊ねる。ずっとこのカフェに通っているからわかるよ。
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