猫とレモンティーと私
凛太郎さんがそう笑い、私の胸がドキッと音を立てる。イケメンに笑いかけられてときめかない女子はいないだろう、多分。

「私も猫のこと、調べてみようかな〜。将来は猫を飼いたいですし」

「そうですね。知識がないのに飼うのは猫にとってかわいそうですから」

色々教えますよ、と凛太郎さんは言ってくれた。私は「お願いします」と頷く。

「そういえば、今日からレモンを使った新商品を出そうと思ってるんです。よかったら、試食してください」

「えっ!?」

私の返事も聞かずに凛太郎さんはカフェの奥へ入っていく。凛太郎さんはよくこんな風に食べさせてくれるけど、私の体重が増えていくのは絶対これのせい。

「お待たせしました〜」

そう言って凛太郎さんが私の目の前に置いたのは、おいしそうなレモンパウンドケーキ。私の喉がゴクリと鳴る。

食べちゃダメ、そう思っていても凛太郎さんの作る料理やスイーツには抗えない。私はレモンパウンドケーキを口にする。口どけのいい爽やかなパウンドケーキだ。まるで、凛太郎さんみたいで……。
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