俺様副社長に娶られました
創平さんは眉を顰めるわたしの両手を取る。


「寝てると思って油断するなよ」


片眉にアクセントをつけると、腰を曲げて目線を同じ高さにするわたしを真っ直ぐに見た。


「そんな格好でうろうろされると、押し倒されても知らねえぞ」
「っへ⁉︎」


俊敏な動きで自分の格好を確認したわたしは、急速に赤面した。

パジャマの上、部屋に忘れてキャミソールのままだった!
しかもキャミソールの中は素肌という、なんともお見苦しい状況。

掴んでいた両手をパッと離した創平さんは、辟易とした風に溜め息を吐き、ソファから立ち上がる。
そして気怠げに部屋に向かって歩きながら、立ち尽くすわたしを肩越しに振り向いて見た。


「俺に変な気起きさせないように、せいぜい気を付けろよ」
「……へ、変な気……?」


創平さんがリビングをあとにしてしばらく経っても、わたしは硬直したまま動けなかった。





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