桜の咲く頃……… 君を想う
窓から見える彼女は

合コンに行くつもりだったからか、いつもより少し高いヒールを履き。

フンワリと裾の広がる、フレアースカートにレースのブラウスを合わせて

お嬢様度アップの装いだった。

まぁ、元々ホントのお嬢様だけど。

可愛いと思う反面

彼氏を見つける気がないわりには、男うけする服装に

ちょっとイラッとした。

自分から告白もしないくせに、勝手だよな………。

岡崎さんの元に小走りで急ぐ姿は

それでも高校時代を思わせる真面目さに、懐かしさと同時に

ホッと安心する。

いずれ、誰か他の男とくっついてしまうだろうけど………

まだ当分の間は………希望をもって過ごしたいからなぁ。




小走りの足を止めたと思ったら……………

フッと立ち止まり、上を見上げた。

ドキッ!

もしかして…………図書室の窓を見てた??

…………………………………………………………。

俺と同じ思いで見上げたのでは??………………と思うと。

ドキドキが止まらなくなった…………。

隠れる俺に気づくことなく

諦めたように、再び岡崎さんの元に走って行った…………。
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