桜の咲く頃……… 君を想う
「大丈夫?
怖かったよね?……………ごめんね。
アイツ、普段は良い奴なんだけど………アルコールが入ると………。」

「すみません、大丈夫です。
社会人になってもこんな感じで…………恥ずかしい。
アルコールが苦手で………。
ホントに………私こそ先生にご迷惑おかけして…………。
先生もあちらで、楽しくされていたのに……………。」

俺の友人だから気を使ってるのか………

恐縮しまくりだ。

「だったら、木下さんが他の人にお酒を勧められないように
ここに座って良い?」

どさくさに紛れて、彼女の隣をキープする。

「あっ、でも…………。
先生…………お友達と…………。
お時間も少ないのに…………私のせいで………ご迷惑は………。」

………………う~ん。

これは、恐縮??

それとも…………やんわり断られてる??

不意に、4年前のあの日。

図書館で一人待ちぼうけしたことが………頭を過った。

もしかしたら…………

もう俺への気持ちは………過去のこと?

やっぱりチャンスは………もう残ってなかったのかもしれないなぁ。

俺の不安に気づいてるかのようなタイミングで…………。

携帯がコールした。

……………教頭かぁ。

席を外し確認すると「早く帰って来て欲しい」と催促。

ここがラストチャンスの潮時かなぁ。

彼女に『学校から呼び出しが入った』と伝えても、鈍い反応。

……………………終わったな………。

長かった片思いに諦めをつけ、会場を後にした。
< 31 / 101 >

この作品をシェア

pagetop