桜の咲く頃……… 君を想う
無理に連れてきたことを、後悔していたら。

「すみません!
つい考え事に、夢中になってしまって………。」と

アルコールに酔ったのか?と心配したけど。

どうやらあの頃……………

高校生の頃から、あまり変わってないんだなぁ。

「高校でも、よく考え事をしてうっかり………なんて事もあったよね。
授業は真面目に聞いてたから、注意することはなかったけど……。
夢中になると、周りが見えなくなってたなぁ~」

少しからかってみると

恥ずかしいのか………真っ赤になった。

「文化祭でたこ焼きを焼きすぎたり、体育祭で転んで膝を擦りむいたり。
膝に絆創膏を貼った女子高生って、中々見ないよね。
そう言えば………
夏苗ちゃん達の結婚式でも、つまづいてたけど大丈夫だった?
二次会もぼぅーっとして
話しかけたんだけど、よくわかってなかったからソッと帰ったんだ。」

俺の話しに、結婚式のことを思い出したみたいで。

「すみません。
ホントにすみません!
夢中になると………ぼぅっとしてしまうから………
二人にも、会社でも怒られるんです。
結婚式は……前の夏苗ちゃんばかり見てたから………コードを見てなくて。
二次会も、帰られる先生にご挨拶もしなくて…………すみませんでした。
先生にお逢いして、頭が学生の頃に戻ってて………」と

会社でも、こんな風に謝ってるのかなぁ?って思うほど

キッチリ頭を下げていた。

恐縮する彼女に、クスクス笑って

「アルコールの匂いもあったから、余計ぼぅっとしたのかもね。
挨拶は、別にいいけど………
怪我は心配だから気をつけてね。」

「…………………はい。」

少し小さくなる彼女が可愛いくて

からかいも込めて、本題に入ることにした。
< 46 / 101 >

この作品をシェア

pagetop