桜の咲く頃……… 君を想う
「ヨシッ、止まったね。
それじゃあ、改めて…………。
彼女になってくれますか?」

「……………はい。」

………………………やっと聞けた、この返事。

うっかりすると…………俺の方が涙で前が見えなくなりそうだ。

それを誤魔化すために………

チュッ!

ほっぺにキスをした。




「ねぇ、桜。
どうしても納得がいかない事があるんだけど………
聞いていい?」

告白をして直ぐ、頬にキスをしたのがいけなかったのか。

「きゃっ!」とっ言って後退り

そのままソファーの一番端に行って

クッションを抱えて、顔を埋めてしまった彼女。

その姿勢で、顔を上げてもらえず………

仕方なく一人分の距離を空けて隣に座って話しかける。

ここ数年、どう思って過ごしたのかを一時間かけて伝えているのに……

彼女の反応は、鈍い。

…………………ホントに聞いてる?

寝てないよなぁ?

再び疑問を持ちながら…………

せっかく恋人になったというのに、距離を取る彼女に

少し意地悪をして………さっきの質問をぶつけてみた。

「う…………ん………。」

相変わらず生返事の彼女に、痺れを切らせ

「桜、聞いてる?」と直球で聞いてみた。

「聞いてます。
けど………桜って…………………。
それに……………
好きって…………。
ずっとって………。
先生がいうから…………困ってしまいます…………。
先生がって思うと………頭の整理がつかなくて……………。
ドキドキして……言葉が浮かびません…………。」

なんだ!

聞いてない訳じゃないんだ。

良かった。
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