桜の咲く頃……… 君を想う
しかし、そんな可愛い答えを聞いてしまうと。

ちょっとからかいたくなってくる。

「桜ちゃん!!」と呼びかけて

ピョンと横に移動して

一人分空いてた席を詰めてみた。

浮かれてるなぁ!

自分で自分に可笑しくなる。

「わぁ!」って小さく叫んで、同じく横にずれようとするが。

ひじ掛けに当たって、あえなく断念。

すかさず立ち上がろうとする彼女の手を引いて。

「ちゃんと答えたら、離れてあげるよ!」と言って捕まえた。

少し考えて………

「ホワイトデーの時のことですよね?」と………。

観念したように、答え始めた。



彼女の話しによると

あの日確かに彼女は、待ち合わせ場所の図書館に向かったらしい。

約束の時間が、ハッキリしなかったから………

14時30分から、2時間後の16時30分までずっと待ってたという。

俺も朝から浮かれ、本を書きながら待っていようと

10時には、図書館に着いた。

もちろん、時間を間違えて書いた可能性もあるから。

夕方遅くまで、ずっと待っていた。

お互い図書館に行き、長い時間ずっと待ってたのに。

どうして会うことができなかったか?

それは………………。
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