桜の咲く頃……… 君を想う
もちろん、俺が好きな気持ちだって…………

伝わっているだろうって………。

「俺が、桜を好きだと…………ホントに気づいてなかったの??
マジかぁ?
あの夏の日。
お泊まり旅行で、俺の気持ちは………伝わってると思ってたのに…………。
ねぇ。
あの日、キャンディーを差し出した桜に。
何て言ったか覚えてない?」

少し責めるように話すと……………。

「……………………………覚えてます。
『いつもありがとう。
アメの味が、色々違うのって…………
僕の体調を気にしてくれてるからなの?』って………言われました。」

そうだろう!!

だったら気づいて良いはずだよね?あの日1日だったら。

『いつもありがとう』なんて言わないだろう?

それに、色々な味のキャンデーを。

置いてくれてる事だって…………

置いてくれてる桜と。

貰ってる俺だけしか知らない情報だよね。

生徒の桜にハッキリした言葉で…………

お礼と気持ちを伝えなかったのは。

受験を控えていることと。

………………………生徒だったから。

クラス担任でもない俺が、必要以上に接点を持つことは…………

桜にとって…………ホントに不味い事になってしまう。
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