桜の咲く頃……… 君を想う
このメモに

『3月14日のホワイトデーの日を楽しみにしていて下さいね。
卒業式の後で、またここに来てメモを読んで下さい。』と

返事を書いた。

卒業式までは、生徒と教師だけど

学校を出たら、俺の気持ちをキチンと伝えたいと思ったのだ。

結果は……………

その日を境に、学校に来なくなった。

高3の彼女は、2月の自由登校になった今

学校にくる必要はないのだけど。

受験に合格し、毎日顔を見せていた彼女が来ないとなると

やはりバレンタインのせいだと気づく。

ホワイトデーに俺に告白されることを迷惑と感じて

距離をとってもいるのかと、不安になる。

このまま卒業式まで、顔を見せてもらえないのか?




結局、卒業式当日まで彼女の顔を見ることはなかった。

毎日考えることは…………

教師として不謹慎で、勇み足だったのか?ということと。

彼女が慕う教師像を壊してしまい、傷つけていないかということだ。

謝ろうにも、今まで個人的なやり取りをしていなかった俺が

いきなり電話をしてはかえって困ると思い

卒業式の日に花束と、最後のメモを残してテーブルの上に置いた。

このメモを見て彼女が行動してくれたら、俺達の未来は繋がるから。
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