桜の咲く頃……… 君を想う
俺の言葉に、プレッシャーが緩んだのか

やっと本来の彼女の笑顔を見せてくれた。

俺の奥さんになることが、幸せだと思ってくれないと………

結婚する意味がない。

俺達程じゃないかもしれないけど…………

違う環境で育った二人が、一つの家庭を作るんだから大変で当たり前。

それでも一緒にいたいと思うから結婚するんだから………

助け合って当然だ。

女の子だけが家事をする時代じゃない。

苦手なら、俺が一緒にやれば良い。

もちろん一般家庭の生活には………

頑張って慣れてもらわないといけないが………。

プロポーズをする前に、大事なことに気づけて良かった。

お父さんの言葉に………

ついつい家族になる意味を忘れるところだった。

俺は、家政婦さんが欲しいと思って結婚するわけじゃない。

桜と離れたくないからだ。

………………………………ヨシッ!!

俺のプロポーズの決心もついた!

スーパーに寄って

お料理の基礎の『おにぎり』と『焼き魚』も一緒に作ることにした。

いざウチに着くと

安心していたはずの桜が、再び考え込んでいた。

やっぱり料理をするのは不安なのか?

……………………まぁ、そうかもしれないなぁ~

俺は…………

お袋がキッチンに立っている姿を

当たり前のように見て大きくなったけど。

桜は、お手伝いさんが作るものだったんだもんな。

お父さん達も、仕事でいない事の方が多かったと聞いたし………。
< 83 / 101 >

この作品をシェア

pagetop