桜の咲く頃……… 君を想う
「お父さん、お母さん。
ただいま。」

親父達が家に来ている間

桜も家で過ごすことになった。

桜のご両親の配慮だ。

『何も出来ない桜を受け入れ、暖かく見守って下さるご両親に
出来るだけ楽しんでもらいなさい。』と…………。

それから…………もう1つ。

これもお父さんの配慮で

桜は、今週付けで仕事を辞めることになった。

迷惑がかからないよう、お父さんが口添えをして寿退社する。

まぁ、桜が辞めることで会社は困らない気もするけど…………。

……………という訳で

桜が親父達を、連日楽しませてくれている。

俺達が仕事中は、春人や夏苗ちゃんも協力してくれ

次の週末まで1週間、十分楽しんで帰ってくれた。

「桜、ありがとう。」

そうして今日は、土曜。

やっと二人の時間が訪れた。

明日四人を呼んで、婚約報告をするから。

それまで家で過ごす桜。

……………………泊まれるのは、今夜が最後だ。

次は……………

式を終えて、奥さんになってから。

俺を信じて、泊まらせてくれたお父さんを思うと………

さすがに、最後まで手を出そうとは思ってない。

けど…………

キスくらいは良いよなぁ。
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