笑顔の行方
「彰人君、良かったね。」

耳元でこそっと、内緒話を寧々が始めたところで

「それでは、お墓の方へお越しください。」と案内された。




お墓には、黄色い百合が供えてあった。

俺の記憶にある、エプロンの柄と同じ色の花だ。

……………お袋。

俺は、良い人達に囲まれて

スゴい彼女の隣で…………幸せに過ごしてるよ。

そこからみんなが見えるか?

これからは、ちょくちょく逢いに来るな。

今日、俺は。

30年かかって

真実とお袋に、逢えたんだ。

俺の小さい呟きを拾って

俺に家族を戻してくれた寧々。

………………………ありがとう。
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