笑顔の行方
「寧々、ご飯が済んだら………ちょっと良いか?」

受験勉強の邪魔にならないよう3年生になってからは

週末以外はおばさんと二人で食べている。

仕事で遅くなることもあるから仕方ないが………

これも変更を知らなかった原因だろう。

「急ぎかな?
明日からテストだから…………
週末にしてくれると有りがたいんだけど………。
おおパパに聞いたんでしょ?
みんな一緒に説明するから、週末まで待って。」

まさか寧々に断られると思ってなかったから驚く。

けど………テストなら仕方ない。

気になるが、週末に説明してくれるというから待つしかない。

悶々とする俺と兄貴。

途中洋介に

『寧々はしっかりした子だから、任せても大丈夫だよ。
ちゃんと自分で考えて決めるだろう。』と言われ。

まるで知っているような言い方に

『相談されたのか?!』と詰め寄ると。

『寧々の側に何年居るんだ。
少しは信用してやれ!
彰人に話さない内容を、俺に言うわけないだろう。』と怒られた。

確かにそうだ。

おごる気持ちはないが

寧々なら、先ず一番に俺に相談するはずだ。

洋介の言葉に、冷静に週末を待てるようになった。
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