笑顔の行方
「おおパパ。
急な進路変更、ごめんなさい。
ママ、洋兄。
私の事、信じて待ってくれてありがとう。
………………彰人君、相談しなくてごめんね。
…………………私。
おおパパに、自分の大切にしてきた会社を任せたいって言われて
ホントに嬉しかったの。
役にたてる事があるんだって。
おおパパの事は…………。
ホントのお父さんは、全然覚えてないけれど。
こんな感じだったら良いなぁって思ってるの。
……………私のお父さん像だから。
だから一緒にお仕事して、支えれたらって……………。
でもね。
去年、彰人君が入院したり、パパが腰を痛めたりしたでしょ?
ママが『血圧が高い』ってお医者さんに注意もされたし。
旦那さんになる彰人君でも、20歳離れてて。
みんなは、もっと上で…………。
今からどんどん年をとるんだなぁって思うと
会社は、パパや彰人君や洋兄が支えられるけど
年をとったみんなを支えられるのって………私しかいないなって思ったの。
だから、会社は継ぎません。
私は、介護の仕事に進みます。」

「寧々~」

兄貴達は、ずっと一緒にいようと考えてくれる寧々に

大感動らしい。

もちろん俺だって、寧々の目指す仕事は素晴らしいと思う。

けど………………。
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