笑顔の行方
「「「「「「乾杯!!!」」」」」」

「寧々、頑張ったなぁ。」

「夢に1歩近づいたな。」

「後は、彰人との結婚ね。」

ぶっ!

口にしたビールが、もう少しで寧々にかかるところだった。

危な~っ!!!

ヒヤッとしてる間に、本日の主役の寧々様の挨拶が。

「ありがとう。
みんなの協力のお陰だよ。
これからは、しっかり勉強して
みんなを支えられる存在になるね。
後……………彰人君。
寧々のワガママを聞いてくれてありがとう。
次は、二人で旅行に行こうね。」

そう。

今日は、受験を終えた寧々のご褒美に

全員で旅行に来ている。

明日、みんなで水族館に行く予定だ。

初めは俺と二人で!!

そう思っていたのに………

当の寧々が

『先ずは、みんなで水族館に行きたい。』っていうから………

流石に俺がごねる訳にもいかず………

今日を迎えた。

これが拗ねずにいられますか!ってんだ。

「あぁ。」

若干冷たい返事の俺を気にする寧々に

「彰人が不機嫌なのはいつもの事だから、気にするな。」

「そうそう、末っ子だからワガママなんだよ。」

「それより頑張った寧々にご褒美があるからな。
こっちにおいで」と

席すら俺から遠ざけようとしてる。

チラチラ見る寧々に

「大丈夫だから、もらってこい。」と答えてやると

やっと笑顔を見せて、兄貴達の方に向かった。

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