笑顔の行方
「………………このマンションは…………」

「みんな一緒だから、安心だぞ。」

「ずっと一緒に居ような。」

「寧々がこのマンションと老人ホームの経営者だから…………」

今から大学に行って勉強するのに

先に就職先が決まってるって……………。

まぁ、それが金持ちの考えることだろう。

「えっ?
でも……………それって…………。」

戸惑う寧々は、ごく普通の生活観をもっているらしく……安心する。

流石、俺が手塩にかけて育てただけある。

「大丈夫だよ。
寧々は難しく考えずに、大学に行って介護の勉強を頑張ればいいだけだ。
後は彰人が、老人ホームの他に病院やスーパーといった
生活に必要な物も揃えていき。
寧々が経営者になる頃には、素晴らし街ができてるからね。」

ゲッ、まだ増やすつもりなのか?

まぁ、老人ホームとマンションだけじゃ買い手は少ないが…………。

街って………………。

困った顔の寧々に

「良いから、貰っとけ。
箱があれば、勉強にも励みになって身が入るだろう。
それに、このメンバー相手に断るなんて
無理だって事、寧々もわかってるだろう。」

俺の言葉に苦笑いを浮かべて。

「おおパパ、パパ…………ありがとう。
今すぐって訳にはいかないけど
ここに就職できるように頑張ります。」と優等生のお返事をする。

大学に4年、その後就職して………

後10年もしたら、確かに立派な経営者だろう。

その頃には…………

何人がここにお世話になってるか。

一人悪い想像に、笑っていたら。
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