笑顔の行方
渋々行ったニューヨーク。

それでも、行けばそれなりの成果を出すため夢中で仕事に取り組む。

丁度俺の出張の間

寧々は学校の研修中だと聞いたから、安心していられた。

そうして折り返し地点の2週間が過ぎたところで

久しぶりに寧々に連絡を取った。

ホントは、しょっちゅう電話したいが

時差で二人の生活時間が違い過ぎる。

研修中の寧々が寝不足でも困ると思い

出掛けるときに、休みになるまではメールにすると言っておいたのだ。

そうして迎えた久しぶりの休日。

寂しい思いをしているだろうと電話をするが………全く取らない。

はじめは『トイレかぁ?』なんて余裕を見せていた俺だが。

三回、四回とコールが空しくなり続けるとイライラし始める。

一旦電話から離れても

やはり気になりコールを繰り返す。

そして、痺れを切らした午後…………ようやく繋がった。

「遅い!!」

憮然として文句を言うと…………

一拍おいて

「寧々ちゃんは今シャワーみたいです。」と

俺と同じ野太い声が返ってきた。

…………………………シャワー??

…………………………………………………………………………………男!!!!

「ちょっ!
お前は、誰だ!!
寧々は!?
寧々は何処にいる!」

「だからぁ~
寧々ちゃんは、シャワーですって。」と

俺の気持ちを逆撫でする声が。

「いいから、寧々を出せ!」

「ですからぁ~
寧々ちゃんのお風呂場を覗いてもいいんですかぁ?」

………………………………嫌、それは不味い。

一旦怒りはダウンし

「出たら直ぐにかけ直せ!と伝えろ。」と言って電話を切った。

あぁ~

イライラする!!!
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