笑顔の行方
「ふぅ~っ、疲れたぁ。
彰人君、先にシャワー浴びて来ていいよ。
今の間にパパに電話するから。」

兄貴に電話?

「毎日してるのか?」

「うん。
今日はパパの日。
昨日は、おおパパだったの。
順番にしないといじけるから。
1日の報告を誰かにしてるの。」

俺がアメリカに出張中は、一週間に一回だったのに?

俺は彼氏だぞ。

さっき反省したがやっぱりヤキモチを妬くし、余裕なんてない。

拗ねた顔をしてたからか

「だって、彰人君が『時間がずれるから、一週間に一回にしよう。』って言ったんだよ。
寧々だって、淋しかったのに。」と

ここにきてやっと『淋しかった』と言ってくれた。

「寧々、おいで。」

「ダメ。
1日動き回ってたから、汗くさいもん。」

「それなら、俺だって一緒だ。
俺が出張に行って20日…………。
やっと二人になれたんだ……………おいで。」

ベッドに腰を下ろして手を広げると

少し戸惑って…………

駆け寄って来た。
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