笑顔の行方
「彰人君、お帰りなさい。
淋しかったよぅ。
ごめんね………こんな所まで勝手に来て。
彰人君のいないお家で………一人留守番するのは淋しくて。
お仕事なんだから、我慢しないといけないって分かってるんだけどね。
お嫁さんになったら………
一緒についていけるのになぁ。」

まさか寧々がそんな事を思っていたなんて。

びっくりだ。

「それなら一緒について来てくれたら良かったのに。」

「ダメだよ。
彰人君はお仕事なんだから………。」

相変わらず寧々は、周りの事ばかり気にしている。

さっきのが本音なら、ホントに籍を入れるんだけどな。

夫婦になったら、遠慮しないで堂々とするだろうし。

そう言えばさっき孝輔が告白した時

『年が離れてるから釣り合わないって言われることが怖い』って言ってたって聞いた。

…………本気で結婚を考えるか?

どうせもう手離すことはないんだ。

今だって結婚してるような生活を送ってるんだから

それなら結婚したって問題ないよな。
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