笑顔の行方
結局、俺の体力が続かず

動物園を見終えたところで、今日のデートは終了になった。

「だから言ったでしょう。
まぁ、彰人君にしたら頑張ったよね。
お日さまの下で、沢山歩いたもん。
たまにはこんなのも良いでしょ?」

まぁ、たまにならな。

…………って、明日も外回りかぁ。

ラベンダー………室内栽培

もしくは、畳一畳分ってことは………ないよなぁ。

うんざりした表情が、顔に出てたのか。

「もし辛かったら、止めにして良いからね。」と言い始めた。

もちろん、そんな顔をして不安にさせた俺が悪い。

それは分かっているけど……。

敢えて言うなら…………………『行きたいんだろう?』

北海道でしか、あんなに沢山のラベンダーは見れないって言ってたよな?

「寧々、ちょっと。」

俺が低い声を出したせいか、寧々の体がピクッと強ばる。

あれからホテルに移動してレストランで夕飯をとり

部屋に帰って来た。

二十歳までもう少しあるから、barに連れて行く訳にもいかず

部屋で、明日の予定をたてて楽しく過ごしていた。

それだけに、自分の何が俺を怒らせたのか焦っているみたいだ。

渋々近より、俺の前に立つ。

こうしてると、幼い頃に戻った気になる。

俺と遊びたい一心で、パパッと宿題を終えて間違いだらけだった時や

嫌いなピーマンを、こっそり捨てて見つかった時に

よくこんな風に前に立って、項垂れてた。

懐かしさを隠して、恐い顔をする。
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