笑顔の行方
寧々の夢。

寧々が憧れた世界は、誰もが安心できる居場所。

家族や友達………

親しい人達が側にいる環境。

俺もそうだが。

大切な人達に囲まれて過ごしたい。

例え離れることがあっても、また集まって来てくれる場所。

俺達は、その一番小さい集団………家族すら叶わなかった。

本当は……

両親の元、安心して笑っていたかったんだ。

だからせめて

今大切な家族や仲間は、できるだけ一緒にいたい。

兄貴達にお義母さん。

洋介達に幼稚園の先生たち。

もちろん、俺と寧々と子供。

親父だって、寧々のおかげで交流を持つようになり

今では大切な人となった。

せっかく繋いだ縁なら。

なるべく繋がっていたいよなぁ。





寧々が進路を決めるとき

あれ程悩んだのは…………

離れたくないと思える、大切な人達と出会ったからなんだな。

いつまでも、親父に恨みを持って大きくなった俺と違い。

早い段階から

周りの愛情を受けとめて、前に進むことを考えた寧々は

やっぱり凄いと思う。

これも…………

みんなが、本気で愛したおかげなんだろうな。
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